2011年6月18日土曜日

学習の障害を排除(その11)

iPhoneまたはiPod touchは、私がお勧めしているガジェットの中では唯一、対話的に使えるものです。
ですから、単語帳や文法テストなどのように、達成度や理解度をそれ自体で計測できるガジェットはこれだけです。

文法テストは題材によらず普遍的ですが、語彙は分野によるので、極端な場合は自分で用意することになります。

しかし、iPhoneやiPod touch自体で入力するのは苦痛です。また、学習しているうちに単語帳データの不備に気づくこともよくありますが、修正できなかったり、修正できてもPCに書き戻せなかったりすると、使い勝手としてはかなり難があると言えます。

そこで、これらを解決できる単語帳アプリケーションを探すことになります。
私は、Flashcards Deluxeを使っています。

データの用意と交換に関しては、Webサイトを使ってiPhone/iPod touchとPC/Macとの間でデータがやり取りでき、問題がクリアされます。

語彙に関しては、PCでExcelを使うなどしてテキスト形式で用意することができます。
私は通訳案内士試験の対策として、過去問の語彙、ハロー通訳アカデミーの単語教材、英語で説明する日本の文化の語彙をFlashcards Deluxeに取り込みました。私はタッチタイプ(俗にいうブラインドタイプ)できますが、手の運動にならないよう、意識して頭に入れながら打ち込むように心がけました。

Perlなどのテキスト処理に適したプログラミング言語や、Emacs系の高機能なテキストエディタを使える方は、さらに効率的に語彙データを用意できます。
これも通訳案内士試験対策での経験ですが、RNN時事英語辞典の語彙をFlashcards Deluxeに取り込みました。ちょっと欲張って、数年分のデータを用意したかったので、手入力では間に合わなかったのです。

ここで注意が必要なのは、上記の効率が入力作業だけのことを言っていて、どれだけ目標に近づいたか、つまり効果とは関係がないことです。
時間配分をうまくすれば、手入力で記憶を強化する方が効果的になることもあります。この場合は、データを用意する時間(効率)よりも、語彙の定着(効果)を重視することを意味します。

以上のように、iPhone/iPod touchの特長を活かして単語帳で学習するには、語彙データの用意、PCとのデータの交換が障害になることがありますが、Flashcards Deluxeのような良いアプリケーションを導入することで解決できます。

2011年6月16日木曜日

学習の障害を排除(その10)

学習の障害を排除するのにガジェットを用い、それを使う上での障害になることを排除する方法をご紹介してきました。
しかし、この便利なガジェットを持ち歩くこと自体が、学習の障害になってしまうこともあります。

ひとつひとつは小さくとも、ふたつ、みっつとまとめて持ち歩くのではかさばってしまいます。また、どの道具を使おうかと、状況ごとに考えていたのですが、わずかしかないすきま時間が減っていってしまいます。した

そこで、身軽になりたいときは、iPhoneひとつをもって出歩きます。
個々の機能は他のガジェットに見劣りすることがあっても、これひとつでほとんどのことができるという手軽さは魅力です。
ちょっとしたすきま時間を活用しようと思ったときに、役立つものがある。これは便利です。

2011年6月15日水曜日

学習の障害を排除(その9)

リスニングの練習では、わからないなりに聴くことと、トランスクリプトのある音声をしっかり聴くことの両方をやりたいものです。

聴くだけの練習はデジタルオーディオプレーヤー(DAP)があればよいのですが、トランスクリプトのある音声となると簡単にはいきません。まず入手が大変ですし、実践するには、たとえばDAPと書籍の両方が必要で、かさばって持ち歩きに支障が出てしまいます。

この障害を解決してくれるのが、Kindleの読み上げ機能、Text-to-speachです。Kindleひとつでテキストも音声も同時に手に入ります。オーディオブックと書籍のふたつを買ったりする必要もありません。

Text-to-speechは、男性、女性の2種類の声で読み上げてくれ、速度も3段階で切り替えられます。私には通常のスピードでも速いと感じられますが、遅くして聴けば問題ありません。

Amazon.comで販売されている電子書籍にはText-to-speechが禁止されているものもありますが、思ったよりもかなり多くの書籍でこの機能が利用できます。自分で用意した、いわゆる「自炊」コンテンツは、もちろんText-to-speechが可能です。

使い方次第で、シャドーイングやオーバーラッピングにも使えます。シャドーイングの場合、テキストは答え合わせのように使えます。オーバーラッピングは、読み上げられた音声にかぶせて、テキストを読み上げます。

このように、KindleのText-to-speechは、ぜひ使いたい有用な機能です。

2011年6月14日火曜日

学習の障害を排除(その8)

Kindleで英語で書かれた書籍を読むときに欠かせないのが、ワンタッチで検索することのできる辞書です。

もともと辞書がありますが、これは英語学習者が使うには語彙が難しいのが難点です。私の場合、語義を調べる際に孫引きが必要になり、そのうちにもとの文脈を見失ってしまいます。せっかくの便利な機能なのに、これでは学習する上で障害になってしまいます。

そこで導入したいのが、英語学習者向けの英英辞典です。辞書をいろいろと調べた末、私はMerriam-Webster's Advanced Learner's Dictionary [Kindle Edition]を買いました。

英英辞典では効率が悪いという場合には、英辞郎を使うのもよいと思います。

私は、ネット上の情報をもとに、英辞郎のデータを加工してKindleで検索できる辞書を用意しましたが、試行錯誤してかなり時間がかかってしまいました。私はこういうのが嫌いな方ではないので思わずやってしまったのですが、いたずらに時間を費やしたことを悔いました。

英辞郎のデータをお持ちの方は、時間とお金を天秤にかけ、データを自力で加工するか英辞郎●MOBI/Kindle対応版を購入するかを検討されるとよいでしょう。

2011年6月13日月曜日

学習の障害を排除(その7)

昨日は、仕事に役立つ、英語で書かれた電子書籍を読むことをお勧めしました。有料ということ自体が障害になることもありますので、今日は無料でコンテンツを用意する方法をご紹介します。

販売されている書籍以外にも、無料で公開されている、仕事に役立つ英文ドキュメントはたくさんあります。たとえば、論文やチュートリアルがインターネットで多数公開されています。

多くはPDFで、Kindleでそのまま読むことができます。職場で時間を取って読むことはなかなか難しいでしょうから、Kindleに入れ、すきま時間を活用して読むのはよい方法だと思います。

PDFのまま読んでもよいのですが、そのままでは文字が小さいのが難点です。そこで、以前ご紹介した、PDFをMicrosoft Word形式に変換するサービスを使い、できたファイルをKindleのフリーアドレスuser_name@free.kindle.comに送付して、拡大縮小可能なAZW形式で読むことができます。

通訳案内士試験では、ハロー通訳アカデミーの「第2次英語口述試験レポート」のサンプルPDFをKindleに入れて持ち歩いていました。
書籍も買いましたが、手入力でKindleに入れるのは、かける手間と効果が引き合いませんので、やりませんでした。ガジェットを使うのは手段ですので、もとの目的を見失わないようにしないといけません。

ある程度プログラミングの心得がある方は、ネット上のコンテンツを、Perlなどのテキスト処理に向いた言語や、Emacs系のテキストエディタなどで加工して、Kindleに入れてもよいでしょう。ただ、著作権には注意してください。

以上のように、効果を考慮しながらひと手間かけるようにすると、学習にも仕事にも役立つKindleのコンテンツを無料で充実させることができます。

2011年6月12日日曜日

学習の障害を排除(その6)

昨日に引き続き、ガジェットに入れる教材(コンテンツ)について述べます。

英文で書かれた書籍を読もうと思っても、なかなか敷居が高いと感じることが多いと思います。

敷居の高さのひとつは、実用性から切り離された「お勉強」と思ってしまい、モチベーションが上がらないことではないでしょうか。

書籍を選ぶときには、「日本語で書かれていたとしたら読みたい」と思える本であることが第一です。

仕事に役立つ、まだ邦訳が出ない、あるいは出そうもない、有用な書籍であれば、さらにモチベーションが上がります。

英語で書かれた優れた書籍はたくさんありますが、すべてに邦訳が出るわけではありません。邦訳が出るとしても、原書の発売から半年から1年の遅れは覚悟しないといけません。もっと困るのは、訳に問題がある場合が多いことです。

Kindleには、購入可能な書籍が数多くあり、印刷された本よりも安く、早く入手することができます。しかも、欲しいと思い立ったら、その場で、すぐに手元に届くのです。この特長をぜひ積極的に活かしたいものです。

このように、英文で書かれた本を読むにも障害がありますが、うまく取り組めば障害を解決できるだけでなく、電子書籍ならではのメリットを享受することができます。

2011年6月11日土曜日

学習の障害を排除(その5)

私はリスニングが苦手です。なじみのない分野の会話ではとくに、考えているうちに次の言葉がきてしまうので、追いつかなくなります。わからない状態で聞き流したのでは学習になりません。

自分にとって速すぎるペースで聴かざるを得ないというのは、学習の障害になります。また、自分にわかる速度のコンテンツ(教材)を用意しなければならないとすると、これも障害になってしまいます。
逆に、リスニングのトレーニングのため、自分が聴き取りやすい速度より少し速いコンテンツを用意したいときも同様です。

PCに詳しい方は、聞々ハヤえもん ( ぶんぶんはやえもん ) というソフトを使い、オーディオトラックを自分の希望する速度に変換してデジタルオーディオプレーヤーに取り込めば、自分の聴きやすい速度のコンテンツを用意できます。

しかし、これには手間がかかることと、耳が慣れてきたときに少し速度を上げようと思っても、希望する速度のコンテンツを用意しなければならないという難点があります。

そういうときにはICR-RS110MFの機能を活用し、再生速度を落として聴きます。これなら任意のコンテンツを、そのときどきで希望する速度で聴くことができます。